おさるの実験室

人生は実験だ

IT(ICT)とかコンピュータとかに弱いのはどうして?(1 of 4)

少し前からちょっと不思議だったのは、

どうして若い人たち(20代、30代)は思ったより

ITとかICTとかコンピュータとかデジタルとか

(ざっくりとデジタル技術ということにする)に

弱いのだろうか? ということ。

 

そもそもワタシの考えでは、

デジタル技術というものは、

若い人に有利にできているものではなかろうか、

と思っていたのだ。

 

デジタル技術(シリコンテクノロジーでも良いんだけど)の

特徴をズバリとひとことで言えば、スキルの民主化である。

たとえば、映画というものは昔々、撮影機材も高かったし、

編集機材も高かった。それが、デジタルになって、

言うても10万円とか20万円の世界で、

あるいはそれは言い過ぎだとしても、100万円あれば

映画が撮れるようになったのだ。

 

昔のことを今の人は知らないと思うけれど、

1990年代に大学生だった頃、とあるサークル活動をしていたとき、

大手予備校がスポンサーというか後ろ盾になってくれていた。

サークル活動の様子を、プロのカメラマンが撮影に来てくれ、

動画を作成してくれ、次年度のプロモーションに使わせてもらえた。

 

細かいことはどうでも良いのだが、

印象的だったのは機材の話で、

プロが使っている動画撮影用のカメラと

三脚はものすごく高いとカメラマンが教えてくれた。

ベンツが何台か買えると言っていて、

学生だしベンツがいくらぐらいするのか分からなかったし

今でもあまりよく分からないけれど、

今の感覚で言えば1,000万円から、みたいな

話だったのではなかろうかと思う。

 

どうでも良い細かい話ばかり覚えていて、

カメラよりも三脚が高いと仰っておられたと思う。

 

それが今や1桁は少なくて済む。

三脚だって、デジタルで手ブレ補正できるので、

そんなに神経質にならなくても良いだろうと想像する。

それにだ、1990年の後半から以降、

ハンドカメラの手ブレを生かしたような映像が

多用されているし、

街中の撮影を見ていても、スマホにブレを抑える

機械(名前がわからないけど)でやっているのも

結構見かける。

 

何が言いたいかというと、今は映画撮影(動画撮影)を

例にしてみたわけだが。

あらゆるジャンルで、かつては機材を持っている

(=お金を持っている)ことや特定のスキルを

持っていることが差別化要因になっていて、

新参者が新たに入り込むことが難しかったのに、

比較的安価なデジタルな機材と、

そこそこのスペックのコンピュータがあれば、

素人でもお金がなくても、意欲と気力があれば

結構勝負になってくる状況が次々と生まれたわけだ。

 

ビジネスでも要は同じことが起きていて、

若い人が年輩者を逆転することは、

デジタルをうまく使えば結構容易なのに、

どうして若い人たちはそこに注目して

勝負して来ないんだろう、というのが

不思議でならない(不思議だった)のだ。

 

<続く>